BTS SUGA考察③ |痛みと繊細さへ変化した時期|おすすめ曲「I NEED U」「Butterfly」「First Love」「Fake Love」MV付き!
② 中期|痛みと繊細さ
“壊れる感情”を、壊さないまま抱えるラップへ
初期のユンギのラップには、怒りや突破力、
現状を壊して進もうとするエネルギーが強くありました。
でも中期に入ると、その“強さ”の使い方が少しずつ変わっていきます。
感情を爆発させるのではなく、
壊れそうな痛みを、そのまま繊細に扱い始める。
この時期のユンギのラップには、
“激情”よりも“感情の深度”が宿っているように感じます。
「I NEED U」|痛みを隠さなくなった瞬間
「I NEED U」では、終わろうとする恋愛にしがみつきながら、
自らも壊れていく痛みと矛盾が描かれています。
「壊れながらも相手を手放せない」という、
人間の弱さそのものを隠さず見せた楽曲であり、
BTSが“青春の暗い側面”を本格的に描き始めた転換点でもありました。
ここでのユンギは、怒りや強さで感情を押し切るのではなく、
苦しさ、不安、執着のような感情を、
そのまま音に滲ませています。
だからこそ、この頃からユンギのラップは、“戦うためのラップ”から、
“感情を抱えたまま語るラップ”へ変化し始めたように感じます。
「Butterfly」|静かな感情を扱うラップ
「Butterfly」は、触れた瞬間に消えてしまいそうな美しさ――夢のような恋、青春、大切な瞬間――を、遠くからそっと守りたいという切実な想いを歌った楽曲です。
この曲は、ユンギの“繊細さ”が特によく表れている曲だと思います。
大きな怒りも、激しい主張もない。
その代わりに、消えてしまいそうな感情を、
壊さないようにそっと触れるようなラップがある。
ここでのユンギは、“強く伝える”というより、
“静かに寄り添う”ような温度で感情を届けています。
低く落ち着いた声も、感情を押しつけるためではなく、
不安定な想いを静かに支えているように聞こえるのが印象的です。
「First Love」|痛みを“自分の物語”として語り始める
「First Love」は、ユンギが“子供のころに弾いていたピアノ”への想いを、“初恋”という形で描いた楽曲です。
そこには、音楽への愛情だけではなく、
孤独だった時代に唯一寄り添ってくれた存在への
感謝や後悔も重ねられているように感じます。
だからこの曲は、ただ過去を懐かしむ曲ではなく、
“失ってもなお手放せないもの”を見つめ直す、
ユンギ自身の告白のような曲でもありました。
ここで印象的なのは、感情を無理に“演出”していないことです。
怒鳴るように痛みをぶつけるのではなく、
過去の自分を静かに振り返りながら、淡々と語っている。
だからこそ、この曲の孤独や後悔は、作られたドラマではなく、
“本当に抱えてきた感情”としてリアルに響いてきます。
ユンギはこの頃から、“強さを見せるラッパー”というより、
“感情を言葉に変える人”へ変化していったように感じます。
「Fake Love」|感情の矛盾まで表現し始める
「Fake Love」は、相手を愛するために“本当の自分”を隠し続けた結果、
その仮面によって自分自身まで壊れていく苦しさを描いた楽曲です。
愛しているのに苦しい。
守りたいのに、自分も壊れていく。
この曲で描かれているのは、単純な失恋ではなく、
“愛と自己喪失が同時に存在してしまう矛盾”そのもの
だったように感じます。
だからこそ「Fake Love」は、綺麗な恋愛ソングではなく、
“誰かのために自分を削ってしまう痛み”まで含めて
描いた曲だったのだと思います。
そしてこの頃のユンギのラップには、
もう“強さを証明するための鋭さ”だけではなく、
揺れ続ける感情そのものを音楽へ変換するような深さが宿り始めているように見えます。
中期のユンギ|“痛みを壊さず扱う人”へ
この時期のユンギを並べて見ると、
怒りで突破していた初期から、
感情を繊細に抱えながら表現する人へ変わっていったことが
見えてきます。
壊れそうな感情を、無理に強さへ変換しない。
弱さや孤独、矛盾まで含めて、そのまま音楽に乗せ始めた。
だから中期のユンギのラップには、“強い”というより、
“痛みを知っている人の優しさ”があるように感じます。
次に読むならこれ 👉
中期のユンギは、怒りや強さで感情を突破するのではなく、
弱さや矛盾ごと抱えながら“語る”ラップへ変化していきました。
そして後期に入ると、その視線はさらに変わっていきます。
苦しみを消そうとするのではなく、
“抱えたまま生きていくこと”へ向かい始める。
前を向けない日も、壊れそうな感情も、無理に否定しない。
この頃のユンギの音楽には、“戦う強さ”より、
“受け止める優しさ”のようなものが流れ始めているように感じます。
次に読むなら👉BTS SUGA考察④ |“受け止める音楽”へ|Life Goes On・Blue & Grey・People・Daechwita
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